みなさんは「湯川専務」をご存知でしょうか。昔SEGAが、SONYプレイステーションのおかげで崖っぷちに立たされて、その挽回を図るために世に送り出したゲーム機「ドリームキャスト」。これの CMはシリーズものとしていろんなパターンのものがあったんですが、それに毎回登場するのが、実際にSEGAで専務をやってた湯川さんです。そしてそのCMはかなり自虐的。湯川専務が子供たちに「セガつまんねえよ。プレステやろうぜ!!」などと言われたり。 さて、今回ナップスターの広告が高評価されているのは、この「自虐」がポイントなんではないかと思うわけです。 その広告手法とは、街中に貼られている広告ポスター(人間が写っているもの)の顔部分に、 ナップスターのロゴのシール(ネコの顔)を貼りまくって ジャックするというもの。ただしポイントは、シールが貼られてしまったポスターというのが、ナップスター側で準備した、フェイクの他企業ポスターだというところ。実際にはジャックしてるわけではないんですね。過去に犯罪者のごとき汚名をかぶってしまったナップスターが、新しく生まれ変わるというこの時期に、またも悪者を演じてみせている。 日産自動車が今年行なった「 エレクトリック・モヨ」キャンペーンでも似たようなことが行われたんですが(日産側が準備したポスターの上に、ストリートアート(落書きみたいやつ)を展開するというもの)、これは「ただクールぶっているだけで面白みが無い」ということで叩かれたみたいです。 あとは米マイクロソフト社が、MSNを宣伝するためにニューヨーク全体を 蝶のステッカーだらけにしたキャンペーンもありますが、街中を使って宣伝を行うスナイピング・キャンペーン自体は、割と使われていることもあり、これも直接的すぎて特に面白みがあるというわけではありません。 さあ、あとは肝心のナップスターの新ソフトウェアがどうなのか、という問題をクリアするだけですね。・・・しかし、こうなると自虐路線で行ったのに失敗したSEGAの立場は一体・・・ 【関連】Hotwired : 復活目前のナップスター、全米各地の街角にロゴのステッカーが出現
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