原作が小説/漫画の作品が映像化されると、決まって「原作の良さが損なわれてしまっている」という論評を目にします。決められた尺の時間に収めるのだから、原作の全てのよさを表現するなんてことは無理に決まってんのに・・・。いちいちそんな分かりきったことつっこむなよ、と毎回思うんですが。そんなのリミックスにしかなりえないんだから。映像化スタッフが着眼した原作のよさはどういう部分なのか、とか考えるほうがオモロイと思うんですが。 さて、そんなわけで、1984年に発表され、日本SFのオールタイムベストでは必ず上位にランクインする神林長平著「 戦闘妖精・雪風」が映像化されました。 南極大陸の一角に突如出現した巨大な霧の柱。それは異星体ジャムの地球侵略用超空間通路だった。地球防衛機構は通路の向こう側、惑星フェアリイ上でジャムの侵略を食いとめるために、フェアリイ空軍を設立し、前哨基地を置いた。30年以上に及ぶ人類とジャムの戦いに、今だ終わりは見えない・・・(公式サイトより) 製作は、「 青の6号」で当時としては例の無いほどに3DCGを2Dアニメに持ち込んだ GONZO。今回も空中戦などに3DCGが導入。2Dパートとの違和感もほとんど無く、この技術力はさすが。メカニカルデザインにはエヴァのデザインで有名な山下いくと。あと「えっ?」と思ったのが、主題歌がムッシュかまやつ!!全5巻リリース予定で、現在は2巻までが発売中。 原作者の話では、原作で描きたかったことは「人間に理解できない存在とのコミュニケーションは可能か、といった問題提起」、「『他人のことなど知ったことか』とうそぶく主人公・深井零が、人間性を取り戻す過程」だそうです。後者に関しては、「現実にそのような若者が増え続けているような気がして危機感を抱いたということもあります。」とのこと。この辺が映像化に際してどのように表現されていくのか、なかなか楽しみな作品。
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